夏の話になるんだが。
俺の父親は単身赴任で週2ぐらいでしか帰ってこないんだ。
それであんま会えないから迎えと送りぐらい一緒に居ようと思って毎回母親と一緒に高速道路の売店とかあるとこまで送って行ってたんだ。
その売店とかあるとこに行くには少し長めの階段があって、電灯も一本のみですごく暗い。
父親を無事送って、母親とその階段を降りていた時の事。
急にすごい異臭がしはじめた。
まるでカビが生えてるところに近づいて匂っているような、強い臭い。
それでこれはやばい、出るな。
と思ってたら急に一本しか無い電球がパンッて言って弾けた。
母親も何か感じたらしく、俺達はすぐにその場を去った。
その夜。
あの階段を下から見上げている夢を見た。
いつの間にか階段の両脇に老若男女、ばらばらの100単位ぐらいの人間が居てそして階段の真ん中に一人の男が立ってこちらを見ていた。
どうやらそいつが主力となって俺の夢に出てきたらしい。
俺は黙って男を見ていた。
すると男が話し始めた。
聞いたものをまとめると、其処は霊道になっており高速道路が作られる前までは其処に泉があって泉で喉を潤して天に行っていたらしい。
しかしそんな事俺に訴えられても何も出来ないし、困るだけだ。
だからその事を男に言うと、お前なら感じて何かしてくれるだろうと思ってたけど、残念だ。といわれた。
これで決着がついたのかな、と思っていたらまた電球がパンッと弾け、其処で目が覚めた。
あれ以来あの場所に行くと毎回かび臭い、鼻を刺激するような臭いがする。
まだ諦めきれない霊たちが俺に訴えかけてるのかもしれない…