ルベドの奇石 というマンガの一篇。
不思議な石を扱う鉱物店「ルベド」と、やはり不思議な店主の少女硝子の話。
ある男性客がルベドに展示されていた石に目を止めた。
その石の平らに磨かれた面には、白人の美しい女性の映像がテレビのように映し出されていた。
硝子によると、その石はビデオのように石の前の風景を録画し、時間差で再現しているのだという。
その美しい女性はおそらく前の持ち主だろうと硝子は言った。
男は女性に一目惚れし、石を購入した。
石の中の女性は石に映る風景を楽しんでいるようで、時々優雅な微笑みを浮かべながらこちら(石)にみいっている。
男は女性を飽きもせずに見ていたが、ふと彼女が何を見ているか気になった
。
彼女の目に何か反射して映っていることに気づいた男は、彼女をビデオに撮って瞳を拡大してみた。
彼女の目に映っていたのは、ギロチンで処刑される人々の姿だった。
石はいつの時代か処刑場の前にあり、死んでいく人々を録画していたのだ。
女はその風景を楽しんでいた。
男はすぐに石を割って捨てた。