最近知り合いが、俺の住む某地方都市に引っ越すことになって、「不動産選び手伝ってくんない?」ってことで不動産屋に。
若い不動産屋の兄ちゃんが良くしゃべるやつだったから、長年の疑問をぶつけてみようと思って、
「あのー…幽霊物件とかありますよねえ?よくテレビとかで出る」
って聞いたら、兄ちゃんニヤリ。
「あんまりお客さんには言っちゃダメだって、上から言われてるんスけど…」
と言いながら、棚から厚手のファイルを取り出してきた。
ファイルには、『要伝達事項付物件』みたいなことが書いてあって、いろんな物件の内部の写真とか、間取りとかが載ってる、見かけは普通の物件ファイル。
「幽霊ってのは現実的じゃないですけどね、でも、ほらこれ…」
って取り出したのは、何の変哲もないマンションの写真と、全戸の家賃表。
でも、確か5階のどっかの部屋だったんだけど、周りが7万とかなのに、そこだけほとんど半額。
「これって…?」
と聞く友人と俺。
「この部屋なんですけどね、しばらく大学生の女の人が住んでて、まあ、なんてのかな、その人の彼氏がしょっちゅう出入りしてたらしいんですよ」
ここまでは、まあ普通だわな。
「で、ですね、この女の人が、何かその、彼氏があんまり自分にどっぷりはまっちゃったもんだから、ウザクなったらしくて、男の人、かわいそうに捨てられちゃったらしいんです」
「(なんだそりゃ?)」
「で、怖いのが、まあ、そんなふうにいっちゃうとあれなんですけど、その彼氏、いつの間にか、合鍵つくってたらしいんですよ。
それでね、あー、その彼氏、彼女のいない間に部屋に忍び込んで…何したと思います?」
「(…)」
「ベランダに縄かけて、首にわっかを通したまんま、飛び降りちゃったんですよ」
「えっ!!!」
「もちろん死んじゃいましたよ、その彼氏君」
「何もそんな死に方しなくてもいいのに…」
「ですよね?それで最悪なのは、その女の子が帰ったときに、テーブルの上に置手紙があったんですって。
僕も本人から聞いたとき、かなりびびったんですけどねー」
『安心して、ずっとここで待ってるから』
俺たちもうガクブル。
俺たち不動産探すの嫌になって、そこやめた。
あと、美容師バラバラ殺人って知ってる?
その部屋の写真も見せられた。
たまんねーよ。