悪魔の降霊の儀式

悪魔の降霊の儀式 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

小学3年生の時のことです。長文です。
親や兄弟にも内緒で、悪魔の降霊の儀式を行う事を決めた俺。
放課後に一人で通いつめてた学校の図書室で手に入れた、色んなおまじないの書いてある本の通りに事を進める。
本には時間は夕方、太陽が沈む直前から始めて、日の沈むのが見える場所で行うようにと書いてある。
ぎりぎり、2階のお姉ちゃんの部屋なら大丈夫そうだ。
紫色のもの敷き、床より少し高くすること。
うん、これは、お盆で親戚がたくさん集まるときに使う座布団がちょうど良いな、なんて考えながら準備。
用意が整い、どきどきしてくる。

悪魔を呼ぼうとしたのは、子供ながらの好奇心と、何か願い事を聞いてもらうためだったと思う。
本には、他のおまじないも紹介されてたけど、「どんな望みも叶う」のは、悪魔だけだった。
なので俺は悪魔を選びました。

日が暮れてきた。
幸い、いつも部屋に入るなとうるさいお姉ちゃんはまだ帰ってこない。
お母さんは1階。
今なら出来そうだ。
どきどきしながら暗い部屋に入り、座布団に座る。
どきどきしながらも、ま、何にも起きやしないと思っていた。

目を瞑って悪魔さん降りてきて下さいとか唱える俺。
日は暮れて、部屋はもう真っ暗。
開けている2階の窓から、生暖かい風が入ってくるのが分かる。

突然、まぶたの裏というか頭の中に、暗い人型が浮かんだ。
羊のような顔をしたそれは、膝を抱えるように座っていて、背中にはこうもりみたいな翼があり、先が矢じりみたいな尻尾がある。
それがにやっと笑みを浮かべ、俺に話しかけようとしてきた。
心臓をぎゅっとされたようにびっくりした俺は、怖くなって真っ暗な部屋を出て、一気に1階のお母さんの部屋に小走りでもどりました。
いつもと変わらないお母さんをみて、なんか普通の場所に戻れたって実感しました。

あれが何だったのかは説明できないけど、部屋はホント真っ暗で、まぶたの裏も真っ暗で何も見えないはずなのに、あれは、真っ暗よりも暗い漆黒で浮かんできたのに驚いてしまった。
さらに後年、良くある「悪魔のイラスト」を中学生くらいになって見て、「あ、あれとそっくり!!」となってぞっとした。

霊体験とかない俺だし、そうゆうのあんまり信じない人なんですけど、この話は信じてもらいにくいし、説明しにくいので、今まで誰にも言ってません。

★この話の怖さはどうでした?
  • 全然怖くない
  • まぁまぁ怖い
  • 怖い
  • 超絶怖い!
  • 怖くないが面白い