リアル恐怖新聞

リアル恐怖新聞 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

私は46歳の、鎌倉富士夫似の男性です。菓子工場で副工場長をしております。
趣味はドライヴです。好きなタイプは長谷川京子ですが、妻は天地真理似(現在の)です。
まあ、それはいいとして、これは私が体験した心霊体験です。

仕事柄、なぜか朝の5時には出社するので、朝4時には起きます。
起きてまず、すぐにタバコを吸うんですが、家の中では禁煙なので、外(にわ)に出て吸います。
吸っていると、よくうちに新聞を配りに来る、新聞配達の男性に会います。
よくよく見ると若いので、「中学生・・・か?」と尋ねると、
「いいえ、高校生です。おハよーごザいマす!!!」と、朝っぱらからすがすがしい挨拶をします!
実はここだけの話なんですけど、私も高校生時分新聞配達(朝刊)をしていたんです。
給料は25000円(今だと40000くらいかな)、うち7000円が学費、5000円家に入れ、あとは小遣い。
ですから、彼にはすごく好感が持てたんです。
仕事の関係上、あまったお菓子を黙って持って帰る癖があるので、それを少しだけ、その高校生に与えてあげてました。
その都度オウム返しのように、「アリガトーゴザイマス!!!」と、いなせな返事をしていました。

ところが、クリスマスの日の事です。
いつものように外(にわ)でタバコを吸ってると、新聞配達の高校生がやって来ました。
しかし、いつもと様子が違います。
ブスーッとした顔で挨拶もせず、乱暴に私の前に新聞を差し出すと、私が取るか取らないかという間に、行ってしまいました。
私も初めは、「なんだ、あの態度は。いつもお菓子あげてるのに」とムカつきましたが、そのうんち「ああ、クリスマスだというのに、彼女にでも振られたから機嫌が悪いのかな」と、勝手に納得してしまったんです。

それで家に入って新聞を読むと、1面見出しにでかでかと、『高校生惨殺』と言う言葉が載ってます。
「ふ~ん」と飛ばして、いつも見ているテレビ欄、スポーツ欄、おくやみ欄を見て、仕事に行く準備を始めました。

そして時間になり、出かけようとゲート(門)をくぐると、
変なデブ親父が「おはようございます」と、新聞を差し出してきました。
「なんだ、あんた?うちはOO新聞しか取ってないんだぞ」と言うと、
「あ、はい、OO新聞ですが・・・」と言うんです。
「いや、もう配ってもらったけど」
「え?きょう担当の子やすんでいて、そんなはずはないんですが・・・」
「???」
しょうがないから、その親父が差し出す新聞受け取りました・・・。確かにOO新聞でした。
新聞は折ってあるんですが、1面見出しは見ることが出来ます。政治のことでした。
さっきのと違う・・・考えてみれば、見出しに『高校生惨殺』なんて、まず載るはずがありません。
不安になり、さっきキッチンのテーブルに置いていた新聞を見に戻ったんですがありません。
すでに起きていた妻に聞くと、「そんなのなかった」と言います。
「あり~?」とか思いながらも、遅刻しそうになったので大慌てで出かけました。
そして仕事に夢中になるうちに、朝の出来事なんか忘れてしまいました。
↑(ウソ。ホントはパートの若い娘の尻に夢中だった)

そして次の日です。
外(ガーデン)でタバコ吸ってると、高校生が来ました。
そして、また挨拶なしのブスーュとした顔で、乱暴に私に新聞を差し出してきました。
「ぁんだ~こら~その態度は~もうお菓子やらんぞ~」と脅しをかけたんですが、高校生は行ってしまいました。
チッ!とか思って新聞を見ると、また『高校生惨殺』の見出しが!?
「なんで・・・!!?」
昨日は飛ばして読んだんですが、今日は見ることにしました。
こんな事が書いてありました。

『新聞配達途中の高校生が遺体で発見♪

 死後約一週間経過 全身に十六ケ所の刺し傷 右手小指左手中指を損傷 いずれも生活反応あり
 表皮剥脱 皮下出血多数 生活反応あり

 直接の死因は数回に渡る頭部への打撲 脳髄は三分の二を損失 顔は原形をとどめず 歯形より本人と確認
 遺体はXX県OO町の林道脇で発見。』

!?OO町っていえば、うちの近所じゃないか。しかもすぐ近くには林道があるし。
そういえば、普段はうちに入れると角曲がっていくのに、昨日今日はまっすぐ行ったぞ!
その先には林道(2kmくらい先)が!もしや・・・

時間になったので出かけようとすると、昨日のデブ親父が、うちの家のポストに新聞を入れようとしています。
「今日も休みなの?」
「ええ・・・」
そしてぼやくように、「無断欠勤。家にも帰ってないそうですよ」
さっきの新聞のこともあるし、冗談めいて「どっか死んでんじゃないの?」って言うと、「ハハッ」と愛想笑いして行ってしまいました。

そして次の日、また来ました。挨拶なしのブスーュ態度で。
私は言いました。
「きみは死んでるんじゃないのか?」
しかし、私のそんな言葉を無視して、まっすぐ林道へ行く道に行ってしまいました。
見出しもまた『高校生惨殺』です。記事も昨日と一緒。
もしかして本当に死んでいて、私に発見されたいのかな?
と思い、その日はズル休みして林道に行く事にしました。年末で忙しいっていうのに。

工場に電話して、もう一回寝て、昼ごろ林道に行きました。
脇の茂みの中をくまなく探したんですが、結局見つかりませんでした。

そして次の日、寝坊してしまい、着替えると顔も洗わずに出社しようとすると、デブ親父がいます。
そして、
「死んでましたよ。自宅の裏のドラム缶の中で。凍死だそうです。
 検視の結果、イブの日だそうです。
 しかし、なぜ死んでるってわかったんですか?
 ご主人、もしかして預言者かなんか?」
しかし、私はその日は寝坊してしまい、そんな話聞く暇なかったんで、無視して行きました。

これが私が体験した心霊体験です。
なぜこのような事が起こるんでしょうか?
ひと、そして金がはびこる世の中では当たり前のことなんでしょうか?

後日談も言いますと、高校生の家がうちの近所だという事がわかったんで、勝手な事ではありますが、私が持って帰ってきたお菓子と、その高校生は狐みたいな目をしていたので(俗に言うつり目)、油揚げを買って、(実費。おつとめ品ですけど)高校生の家の裏に投げ入れました。
もちろん嫌がらせではなく、供養のためにです。

★この話の怖さはどうでした?
  • 全然怖くない
  • まぁまぁ怖い
  • 怖い
  • 超絶怖い!
  • 怖くないが面白い