手を振る友人

手を振る友人 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

2年前の話なんだけど、俺が高2で同級生のNの家に泊まりに行ったんだ。
そんで俺のほかにTとHって言う奴もきてて4人で話したり、ゲームやったりして騒いでた。
そんなことしてるうちに時計の針が午前1時をまわって腹が減ったので、コンビニに何か買いに行く事になった。
HとNが原付でコンビニまで行く事になった。
だけど俺もいっしょに行きたかったのでTをNの家に残して、俺はNの原付の後ろに乗ってついていく事になった。

コンビニまでは20分くらいの道のりで、Nの肩につかまり顔に吹きつける風が冷たかったのを憶えている。
後ろを向くとフルフェイスヘルメットをかぶったHがみえる。
そして、コンビニについて買い物を済ませると、さっさと店を出てNとHは原付にまたがる。
おれもまたN原付の後ろに乗る。
Hがカゴの中に袋を入れるとヘルメットをかぶりすぐに出発した。

帰り道、コンビに付近の交差点にさしかかったとき後ろから何か音が聞こえたような気がして後ろを振り返った、そうしたらHがふざけて手をふっている。
普段ふざけたりしないHにしては珍しいなと思いながらもHに手をふりかえした。
Nの家に着くとHからコンビニの袋を受け取って一足先にNの部屋に入っていった。

部屋のドアを開けるとTが一人でTVを見ていて
「おかえり、早かったじゃん」
「おう、ほらお前のジュース」
なんて2~3分くらい、Tと話していたらTが
「NとHは?」
というので家の外まで行ったらNとHの原付が無い
「あいつら二人でまたどっかいったのかな?」
「すぐ戻ってくるでしょ、寒いから家の中はいろうよ」
と、家の中に入ったらNの家の電話が鳴ってる、寝ていたNの母親が起きてきて電話に出た。
電話に出た母親の様子が少しおかしい事におれもTすぐに気がついた。

「はい!…はい…」
と深刻な顔で受け答えしている、Nの母親が電話を静かに置くと俺たちに一言、
「NとH君が交通事故にあったって…」
と泣きながら言ってきた。
Nの母親の車でとりあえず事故現場まで行く事に。
Tと俺は車の中で
「家についてから二人でどっか行って事故ったのかな…?」
なんて話してた。
でも事故現場についてから驚いた…コンビニの近くの交差点だった。
大型トラックとぶつかって二人とも即死だったらしい。
Tも俺もかなりショックを受けていたかたわら不思議に思っていた。
一度NもHも俺と一緒に家に戻って二人がいなくなってから事故の知らせが来るまでに10分もかかってない…その交差点まで20分はかかるのに。
警察から事故発生時刻をきくと俺がNの原付の後ろに乗ってる時刻だった。
一緒にNの家までかえってHからコンビニの袋を受け取って…
絶対に俺はNの原付の後ろに乗って二人と家まで戻ったはずなのに、二人は帰る途中に交差点で死んでいる…

そういえばHが交差点付近で手を振った
あれは俺に別れを告げていたのかも…でもなんで俺だけが生きているのか?
真相は全くわからないけどあの日のことは鮮明に覚えている。
手をふっていたHもHの原付のライトの明るさも、つかまっていたNかたの体温も…

2年前の話でした。

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