タ○ヤに会わせろ!

タ○ヤに会わせろ! 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

霊的な話しじゃないですが、3年前、一人暮らしをしていたときの話し。

夜9時くらいに帰宅すると、すぐインターホンがなったので玄関を開けると、40代くらいと思われる女性が立っていた。
宗教の勧誘だったら面倒だな、と思いつつ「はい?」と言うと、女性は部屋を覗こうとしながら、
「ここってス○ップの木村タ○ヤさんのお宅ですか?」
確かに俺は木村という苗字で表札も出していたが、木村タ○ヤの訳がなく、驚きながら「いや、違いますけど…」と言い、ドアを閉めようとした。

すると女は閉まりかけのドアを押さえ目を見開き、
「本当に?隠してませんか?本当はタ○ヤいるんでしょ!?」
と叫びながら、部屋の中に入り込んで来ようとしてきた。
慌てて「いやいや、違うから!」と言いつつ、女を外に押し出そうとすると、女は「触らないで!タ○ヤー!いるんでしょ?タ○ヤー!」と暴れだした。

俺はもう何がなんだかわからなくなり、「ヤメロ、警察呼ぶぞ!?」と怒鳴ると、女はおとなしくなり、逃げるように帰って行った。
都会は変な人が多いな、なんて考えながらも、その日は戸締りをし寝た。

翌日帰宅すると、アパートの入り口に、昨日の女とその娘と思われる中学生くらいの女の子が、通りから死角になる場所に立っていた。
俺は驚きつつもダッシュで自分の部屋の前へ行くと、娘が「タ○ヤに会わせて!」と叫んでいて、女は包丁(果物ナイフかも)を持っていて、
「タ○ヤを出せ!!出さないと殺すっ!!」
もう目が尋常じゃないくらい血走っていた。
急いで鍵を開けで部屋に飛び込むとすぐに施錠し、5分ほどボー然としていた。

警察に電話しようと思いつつ、部屋の電気を付けカーテンを閉めようとすると、窓に女と娘が張り付いて中を見回していた。
俺は「うわあぁぁ!」と叫びながらすぐに警察に電話。

パニックになりながらも事情を説明すると、警察は『すぐに警官を向かわせるので、施錠をし待っていて下さい!』
女と娘はその間、窓を叩きながら「タ○ヤに会わせろ!タ○ヤを出せ!!」と絶叫している。
俺はトイレの中で、掃除用のブラシ(武器代わり)を握り締め震えていた。

5分くらいすると、「コラー!何してるー!」と警察官と思われる声が聞こえ騒がしくなった。
インターホンが聞こえ、「木村さん?警察です。もう大丈夫ですよ」と聞こえ、俺は安堵感で崩れ落ちた。

その後警察へ行き事情を説明し、女は逮捕。
(別の木村さん宅にも同じことをし、被害届けが出ていた)
娘は親戚に引き取られたらしい。

さすがに引越ししました。

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