私の彼氏の知り合い(以下Aさん)がめちゃくちゃ霊感強い。
Aさんは今はもう丸くなったんだけど、元ヤンで全然霊とか信じるタイプじゃなかった。
でもなんとなく「ここ嫌だな」とかは感じる人だったみたい。
高校卒業してて中古のバイク屋さんで働きだしたんだけど、そこの店長がめちゃくちゃ霊感強い。
面接の時に「お前感じるタイプやろ?」って聞かれて「?」ってなってたら「ここはよくそういうの来るんだよ」って言われて、その時はよくわかんなかったらしい。
働きだしてから店長に「お前そこ座ってみろよ」って言われて座ったらめちゃくちゃ寒気して「なんですかここ」って言ったら、「うわーーーー!そこ霊がいるとこおおおーーーー!ウケる!」とかからかわれたりしてたら段々Aさんの霊感が強くなってきた。
普通の人と区別がつかないぐらいにハッキリと霊を見る様になったらしい。
それから毎月決まった日にびしゃびしゃのおじさんが店来たりとか、買い取ったバイクの側に人が立ってたりとか色々あったみたい・
ある日Aさんが店長と飲んだ帰り、なんとなく嫌な感じがするんだけど、どうしても通らなきゃいけない道があった。
それまでおちゃらけた空気だったんだけど、突然店長が真剣な空気になった。
「お前今からいいって言うまで絶対前見るな。特に左側。頭を伏せて歩け」
Aさんはよくわかんないけど、とりあえず頭を伏せて歩いた。
でもあるビルの横に来た時、猛烈に左側が見たくなった。
すごい嫌なんだけど、どうしても見たいって言う気持ちが心から湧き出る感じがしたらしい。
見たい、けど見たくない、見たい、見たい、見たい。
チラッとならいいだろうって少しだけ視線を左側に寄せた。
真っ黒だった。
よく分からず混乱してると店長が「あー、見ちゃったか、とにかく逃げよう」って走りだした。
わけがわからないままついて行ったら、バイク屋に着いた瞬間塩撒かれたらしい。
「あのビルの横にいたやつ、ずっとお前の方見てたんだよ。あれは最悪のやつ。
お前がちらっと左側見た瞬間、すごい速度で側に来て、至近距離でお前の顔覗き込んでた」
見た時は真っ黒だったことを伝えたら
「気づかなかったか?立ってたやつ、人の形はしてたけど顔の半分ぐらいが目だった。
ほとんど黒目だったよ」
って言われたらしい。