俺の友人に東京消防庁の消防士と地元交番の警察官がいて、お互いにとても仲が良い。
そんな友人達の話なんだがこのまえ久し振りに会って居酒屋で三人で飲んだんだ
消防「この前現場があってさ、親子が三人仲良く川の字になって黒コゲで死んでんだよ。
良く火事になったら落ち着いて逃げましょう、なんて言うだろ?それは不可能なんだよね、ガス吸うとまず体が動かなくなるわけ、意識のある中でジワジワと焼かれていくんだ。だからきっついんだろうな・・・」
警察「署で聞いたな、その事件放火じゃなかった?ひでー事しやがる。
最近俺も仕事で行ったよ現場。駐車場で練炭自殺があってさ。
マジやっぱりおっかねえ、練炭なら苦しくないなんてのは大嘘らしい、顔が変だったもの」
俺「少し前硫化水素なんてのも流行ったな」
消防「あれも駄目、あっさり死ねるなんて大嘘、ガスマスクしてないと不味い。
実際緑色に顔変色して苦しみもがいて死ぬから」
警察「それも聞いたな、ここらで流行ってるよな最近。
まあ確実なのはやっぱり縄で首吊りだな。それも誰にも発見されないように樹海で」
俺「こえー話すんなよ、まるで完全自殺マニュアルみたいじゃねーか」
消防「馬鹿言うなよ(笑)」
そして別れたあと、警察の友人から電話がかかってきた。
「おい今日の話は誰にも言うな」
結構真剣な口調だった、いきなりの事で全く意味が分からない。
それが何だか怖かった。
<解説>
「ガス吸うとまず体が動かなくなる」
「意識のある中でジワジワと焼かれていく」
「実際緑色に顔変色して苦しみもがいて死ぬから」
消防士の彼の話は非常に具体的な口ぶりだ。まるでその現場を見ていたかのように。
さらに東京の消防署で働いているにも関わらず、警察官や「俺」が話す地元の事にもやけに詳しい
消防士を怪しく思った警察官は樹海で自殺に見せる方法をそれとなく提案して犯人を特定しようとしたのだ
情報が漏れないように「俺」に口止めをした