一戸建ての二階にある自室で自分はよく夜更かしをしていた。
あれは9月の始め頃、ほぼ毎日午前4時前後に、変な音がするのに気付いた。
その音は毎度同じで、決まって4:00~4:05の間に部屋の真上からする。
ズズズズズ ドスン ズズズズズズ
10秒くらい続いた。
最初は地震だと思ったので慌ててテレビを付けるが、何も無い。
でかいトラックでも通ったのかなと思い、気にせず寝た。
おかしいなと思ったのは3度目くらいから。
ようやく、音が決まった時間に来る事に気がついた。
あと家の面している道路は狭く、部屋が揺れる程のトラックが通れる幅なんてないんだ。
隣の部屋の妹は何も聞こえないという
(そりゃ熟睡してる時間だしな)
オカルト好きだが霊感ゼロの自分は、興味深々なものの特に怖がりもせず放っておいた。
音はたまにパターンを変えて(ズズズ…しかない時や、ドスン!が最初にくる)
2~3日に1度くらいの割合で来る。
構えてると来ない日もあった。
何となく部屋の西北から南東に向けて、大きなものが移動してる気がした。
初めて遭遇する怪異にwktkだったが、さすがにあの日は背筋が寒くなった。
その日もその時間まで起きていて、今日は来るかな?と思いつつPCに向かっていた。
いつもと変わらない音が来た。
そしていつものようにフェードアウト。
微かに揺れる電灯を見てからPCに眼を向ける。
途端。
バタン!
大きな音が鳴って、心臓飛び出るかと思った。
あの音じゃない。
冷静に考えると扉の音。
妹の部屋だ。
あ、もしかして音に気付いて起きたのかなーなどと気楽に考えた。
自分の部屋の扉を開けて(自室は引き戸)廊下を覗くと
妹の部屋の扉は開いていた。
ドアの向こうは暗闇。
血の気が引いて部屋に戻って布団をかぶった。
さっきの音は絶対に勢いよく扉を閉めた音。
おかしい。
中で起きていた気配もなかった。
やっぱり怪異現象コエエーと、そのまま無理やり寝た。
幸い?何も起こらなかった。
次の日妹に夜の事は尋ねると、昨夜は起きてないと怪訝そうに言われた。
私「本当に?でもドアあいてたぞ」
妹「何言ってんの。私朝までドア閉めて寝るよ」
お解りだろうか。
それでは自分の見たあの部屋は何だったのだろう?
そういえば廊下の電気はついていたのに、妹の部屋は完全な闇だった。
直接、あの4時の怪音と関係があるかは解らなかったが、私は音の来る前に寝るようになった。
音は10月頃まで続いた。
途中飼っていた猫が死んでしまい
(こっちは別件なので省く)
数日は自失呆然。
何とか立ち直って気がついたら、もうしなくなっていた感じだ。
そして1年たったこの間の夜、ふと廊下を歩いてる時に妹の部屋が眼に入った。
まだ早い時間で妹は階下。
部屋は真っ暗
だが、微かに白いベッドが見える。
ああやっぱりあの暗闇はこの部屋じゃねーんだなとかあの時確かめようと部屋に入ったりしなくてよかったーとか
しみじみ思い出して、また背筋が凍った。
ドアは廊下から見ると、右側が開くようになっている。
しかし記憶の中のあのドアは、入り口の左側に開いていた。
もしかして廊下辺りから既に違う世界につながってたんだろか?
夜中廊下に出るのが怖くなってしまった