私が小学校3年の3学期の時、私のクラス、3年2組に奇妙な連続惨事が起こったのです。
まず最初の犠牲者(その時は誰も『犠牲者』とは思っていませんでしたが)は、O君という男の子でした。
普段はとても元気だった彼ですが、3学期に入ると突然体の調子がおかしくなり、1ヶ月の入院をすることになってしまったのです。
内臓の病気だということでしたが、最後まで原因は不明でした。
次の事件は、
O君が退院したちょうどその日に起こりました。
今度はI君が急性盲腸炎で入院したのです。
盲腸ということがはっきりしていたので、みんな、よりにもよってO君の退院の日に…と残念がりましたが、気味が悪いといったふうには、まだ誰も思っていなかったように思います。
冗談で次は誰の番か、などと言って遊んでいた男の子もいます。
ただの偶然だと、みんな信じていました。
…ここで終わっていれば。
次の犠牲者はクラスの女の子です。
彼女もI君がちょうど退院した日に階段から落ちて頭を縫うケガをし、入院することになりました。
さすがに3人もこういったことが続くと、みんな気味が悪くなってきて、学校を休む子も出てきたほどです。
学校側からも、登下校時にくれぐれも気をつけるように、という注意が出ました。
しかし、やはり3番目の女の子が退院したその日に、クラスのK君がひどい交通事故に遭ってしまったのです。
結果的には彼が一番ひどい犠牲者でした。
足がぐちゃぐちゃになってしまったそうで、結局3学期中に彼が退院してくることはなかったのです。
ですが、これが最後の事件ではありませんでした。
最後の犠牲者はNさんという女の子で、彼女も交通事故に遭いました。
春休みに入ってすぐのことです。
誰もが何故?!と思いました。
まだ、K君は退院していないのに!
あとでわかったことですが、K君は手術を終え、この日、整形外科の病院を移っていたのです。
外科の病院を退院して。
さすがに何かあると思ったのか、担任の先生が春休み中にクラス全体のお祓いに行った後、新学年となってクラスも変わったこともあり、この事件はパタリとやみました。
何かの祟りであったのかどうかも、もう今となってはわかりません。
実は3番目の犠牲者となった女の子というのが私なのですが、事故の瞬間は今でも忘れられません。
いつもの慣れた階段だったのに、どうして踏み外してしまったのか…不思議でなりません。
何よりも怖かったのは、私が入院していた部屋にいたおばあさんが、
「そういえば、今朝ちょうど退院してったそのベットに寝てた男の子も、おんなし学校やってゆうてたわ」
と言ったのを聞いたときです。
そう、私はI君が使っていたのと同じベットを使っていたのでした…。