山の夢

山の夢 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

日本ならどこにでもありそうな、山のふもとに住んでいる。
山と言っても2~300mの、近所の小学校が遠足に行くような山だ。
ご多分に漏れず杉の植樹もしてあるので、花粉症が発症してからは季節じゃなくても近づかなかった。

ある日、その山の夢を見た。
山の入口で、これから登ろうとしているところだった。
目が覚めてからも、これから登るぞー!というワクワクした気分が残っていた。

だから、次の休みに何となく、その山に向かった。
入口は我が家から500M先だ。頂上までは林道が通っているし遠足で登ったこともある。
お茶のペットボトルだけ持って歩いていると、たまたま同級生に行き会った。
嫁に行ってもう地元にはいないのに、珍しい。

地域に同い年の女子は3人しかいなかったので幼い頃は仲良かった。
育つに従って趣味の違いwから疎遠になっていたが。
その子もこれから山に登ろうかと思う、と言う。

「なんか、夢に出てきたんだよー」

と。

夢の名残のワクワクした気分は吹っ飛んで、

「私も見た、その夢…そこの、入口で、これから登るんだー!ってワクワクしてるの」

と言うと、相手もなんとなく嫌な顔になった。
どちらからともなく、今日はやめようという話になった。

翌日、地域の3人しかいない同い年の女子の、もう一人が死体で見つかった。
あの山で。

死んだ子も大人になってからは疎遠だったし、嫁に行った子もあの後合ってないし、夢との関連は分からない。

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