中学生の時クラスでコックリさんが流行った。
同級生の誰もが放課後は各々のグループで、机で、コックリさんに興じた。
コックリさんへの質問は、誰それの好きな人だの、何歳で結婚できるかなどの可愛いものだった。
と、ある女子グループが「コックリさんコックリさん、呪いたい人がいます」と呟いているのが聴こえた。
物騒な奴らもいるもんだ、と思ってこっそり傍で盗み聞きしていると、クラスの人気者の男子と最近付き合い始めたという女子のことを呪い殺そうとしているみたいだった。
「コックリさんコックリさん、あの女を呪い殺してくれますか」
三人の女子が真剣な顔をしながら、十円玉を睨みつけながらぶつぶつ呟いている。
と、十円玉が動いたようで、女子達の腕もスススッと動いた。
と、「やったぁ」という声が聴こえた。
他の二人の女子からも「よしっ」「わぁい」と嬉しそうな声が聴こえてくる。
どうやら成功したようだった。
やれやれ、コックリさんも何で承諾しちゃうかね、と思いながらそっと近づいて覗いてみると机に乗せられた紙には、「はい」と「YES」ばかりがズラッと書かれていた。
女って怖い。