これは、ここ1年くらいに起きている私自身の体験談。
過去に色々あったので、私には『何が何でも近付きたくない場所』がある。
どうしても・・・の時は、その場所の前をわざわざ迂回して行くくらいに近付きたくない。
ある夜、夢でその場所に誘い込まれそうになった。
真っ赤なじゅうたんの敷かれた和風の店で、誰かと御膳を並べて食事しようとしている。
しかし、私は絶対に食べたくなくて、相手が色々と勧めてくるのを必死で断っていた。
なぜなら、その皿に盛り付けられた料理はすごく綺麗に作られているが、煮物でも果物でも、何もかも血がにじみ出ていたからだ。
断り続けていると、こう言われた。
「食欲がないのか?だったら外へ散歩に行こう。
夜だけど自分が一緒だから安心だ。
外に出たら気持ち良さそうだろう」
だが、明らかに窓の外には私が近付きたくない場所の門が見えている。
外に出てもヤバいのだ。
必死で断り続けていると、やっと目が覚めて、時計を見れば3時頃だった。
「嫌な夢を見たなあ・・・。気分転換にゲームでもしよう」
と思った私は、スマホで位置情報ゲームを起動し、GPSで現在地をタップした。
すると、現在地は『神社の門の前』。
そう、私が何が何でも近付きたくない場所だ。
思わずスマホから手を放した。
もちろん、その時は自分の部屋に居て、昼間にそこへ近付いているわけでもない。
前日に帰宅した時は、ちゃんと自分の家が表示されていた。
ゲームのGPSはいい加減で、ズレることがあるのも承知しているが、ズレる位置は大体決まっており、間違っても『そこ』ではない。
なにより、駅を5つくらい離れた隣の市の近付きたくもない場所に、なぜ夜中に居なければいけないのか。
それからも同じようなことが忘れた頃に起きるので、夜中に目が覚めた後は絶対にGPSを起動させなくなった。